脅威のブラスサウンド3部作「夏のせいかしら」

 Chaseの「黒い炎」が72年に大ヒット、早速筒美京平が「恋の追跡」をブラス・サウンドを取り入れヒットをさせている。74年、安井かずみ+馬飼野康二のコンビで「古い日記」「激しい恋」そして地味ながら夏木マリが歌う「夏のせいかしら」が74年に完成する。これぞ馬飼野ブラス”Chase”サウンド3部作といってもいいだろう。

「どうにもとまらない」のイントロを早回転させたようなアッパーなド派手イントロはつかみOKってとこ。筒美作品はあくまでも主役はメロディーで、イントロ、間奏はお膳立て的な役割だが、馬飼野作品はいきなりハイテンションなイントロをぶつけてくるため、Aメロでややヒートダウンするような感じも受ける。しかしサビからまた突如ヒートアップするような曲構成はインパクトはかなりある。エンディングもそのテンションのままバッサリ終わるといったちょっと乱暴っぽいところもまた特徴である。(しかしブラスアレンジはなかなかのものです) イントロ、間奏を歌より派手に仕上げる馬飼野、重ねてリズムも変えすぎて逆にギクシャクしてしまう都倉俊一作品はその辺を踏まえて聴くのもおもしろいであろう。 今回も前半ヴォーカルレス、後半歌入りのもの。特にサビのリズム隊はなかなか、ピックのベースが2コーラス目で唸る!

ここがすごいよ歌謡曲

曲にまつわるエピソード、作家、スタジオミュージシャンなど、裏側からの話をアップしていきます。 リメイク、リテイクも数々ご紹介!

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