スナッキーで踊ろう~プリマハム
ラジオ「コサキン」で取り上げられ赤坂泰彦の「ミリオンナイツ」で「地獄谷からのひとりGS」としてランキングの常連で注目を浴びていたのが、
「スナッキーで踊ろう」(68年1月発売)
あまりにもカルト過ぎるこの曲はNHKの「ナイト・ジャーナル」で"特集されるが、誕生秘話が奥が深すぎる。
プリマハムが大ヒットの「ソーセージ」に続けと「スナッキー」というレトルトウィンナーの販売戦略として先にレコードの販売を企画。だが当時商品名が入った曲は商業用としては歌番組等でOAされないため「スナッキー」という海外で流行しているリズムとしてでっち上げ、曲を全国に浸透した2ヶ月後に商品を販売しようという戦略だった。
社員も社名を隠し、歌番組にリクエストの葉書を出しまくる徹底ぶり。ジャケットの海道氏のネクタイの柄は商品のパッケージに予定されていた柄で先に視覚からも商品アピールを徹底。また全国でスナッキー大会を催したというからこりゃまた凄い!
スナッキー・ガールズの3人娘は、右から"吉沢京子"(愛称ミミ・"みきっぺ"じゃないんだ?)"小山ルミ"(愛称ケメ子)の2人はオーデションから選ばれたことになっているが最初からの出来レース、またもう一人は多くのwebでは"風吹ジュン"となっているが、実際は別人のハニーこと"羽太幸得子"という女性。バックダンサーとして「スナッキー・サイン」と親指と小指を立てて踊り、甲高いコーラスもなんともいえない。
海道氏は演歌の大御所船村氏の弟子で、抜擢されたものの譜面を見て演歌とはほど遠い歌に面食らったという。出だしの「オーオーオーッ」の異常過ぎる深いエコーは自身舌を口の中で動かすことによって聞こえる技を使った。作曲した船村氏はNHKの取材に対して「心に宿った破壊への衝動」と苦笑いしていたが、異様なサウンドは「A♭dim7」のコードからくるものだろう。
この戦略を考えたプリマハムには「アッパレ!」だが、このサウンドを選曲してしまったことは「渇!」ってとこ。おそらく世の中に浸透するサウンドかどういうものかまで判断できなかったのはお粗末であった。ちなみに「スナッキーで踊ろう」のB面は「いとしの君」歌に入ると「いとしのプリマ」を連呼する始末。結果まったくヒットせず惨敗し商品もまったく売れなかった。
しかし、この曲がヒットしていれば歌謡界の地図変わっていたのではないか?
ひょっとして商品タイアップのタイトルの曲だらけになったかもしれない。
タイガースは「君だけにハイミルクを」、テンプターズだと「森永YELLの伝説」、カーナビーツの「オブラディ・オブラダ」も歌詞が太郎と花子でなく、ポコとペコになってたかもしれない。
いやぁー、狙いはよかったけれど選曲にしくじりましたね"プリマ"さん!
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