ゲバゲバ90分~宮川泰

我々の世代には大変センセーショナルだったショート・コントが満載なバラエティ番組

「巨泉×前武ゲバゲバ90分」(1969年OA開始)

構成はプロデューサーの"井原高忠"氏。

「セサミ・ストリート」や「ラフ・イン」を参考に、視聴者に一番向いたCM感覚のスピード感ある短いギャグを中心に、1回の放送分130本を2日間で撮影、1500万の巨費を投じた破格の番組であった。


司会は当時売れっ子の"大橋巨泉"と"前田武彦"の掛け合いで番組は進行し、間にショートコントを挟むといった演出。出演者はお笑いに縁のない"宍戸錠"、"藤村俊二""松岡きっこ"から、"岡崎友紀""小山ルミ"まで幅広く、当時大人気の"コント55号"をあえて競演させず、バラで使うなど、キャストもかなり凝っていた。


ちなみに「ゲバゲバ・ピー!」のアニメ・キャラクターは、コントの1シーンが短いため、切れ目を分かるように"木下蓮三"氏に依頼。最後の「ピー」はアクセントを付けるために当時話題だった「アポロ11号」の交信音だそうだ。さて肝心の音楽担当は"宮川泰"氏。


"ザ・ピーナッツ"、"クレージー・キャッツ"そして「宇宙戦艦ヤマト」でお馴染みの大作曲家である。

このテーマ曲は、近年ではビール系のCM曲で御馴染みの方も多いと思うが、オリジナルはゲバゲバから。

当初エンディング用に書かれたものだが、演出の"齋藤太朗"氏の発案でマーチ風で出演者の登場シーンでテロップを入れる手間を省くために名前の書いたプラカードを持たせ行進させるオープニングにしたという。

番組予算の半分近くは、シナリオ代と音楽制作に費やしたそうで、当時としては画期的な2chのステレオ録音。(勿論この頃はTV音はまだモノラル)

TVサントラ発掘でおなじみの「ミュージックファイルシリーズ」監修の"高島幹雄"氏が、「ゲバゲバ90分」を音源化にするにあたってステレオのマスター・テープを発見し、貴重なステレオCDとして98年に発売されている。

このCD化された音源は、未だにあちこちTVのBGMとして使用され、宮川氏の偉大さがわかる。

コントの内容も「もしもシリーズ」やアニメとの合成ギャグなど、ここ数十年と繰り広げられているお笑いも、原点は「ゲバゲバ90分」から。


本来は1時間30分なのだが、あえて90分をいうネーミングをしたものこの番組が最初だそうである。

ハナ肇さんの「あっと驚く為五郎!、ハハハ、何?」というギャグも流行りましたっけね。

ここがすごいよ歌謡曲

曲にまつわるエピソード、作家、スタジオミュージシャンなど、裏側からの話をアップしていきます。 リメイク、リテイクも数々ご紹介!

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